Uniswap - Liquidity layer of Internet

日付
May 15, 2025
タグ
Research
著者
Ikuma Mutobe
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Huge thanks to Takeshi and Shoji for sharing their governance insights.

TanéはUniswapのネイティブトークンであるUNIへの投資を実行しました。

これは、UniswapがDeFiの革新的な金融インフラとして長期的な価値を持つという強い確信に基づいています。

Uniswapのガバナンスへの参加を通じて、私たちはその成功への確信を一層強めました。この場を借りてその背景にある考え方を伝えたいと思います。

Uniswap:Cryptoの進化を体現するプロトコル

Uniswapは、Cryptoにおいて最も成功し、広く利用されているプロトコルの一つです。Cryptoという新たな世界の黎明期に登場して以来、絶え間ない進化を遂げ、分散型金融(DeFi)のイノベーションを牽引し続けてきました。このような長期間にわたり、その主導的なポジションを維持し、成長を続けているプロトコルは極めて稀有な存在と言えるでしょう。

Uniswapとは何か:DeFiエコシステムの中核を成す存在

Uniswapは、ブロックチェーン上で機能する分散型取引所(DEX)であり、特にその自動マーケットメーカー(AMM)というメカニズムは画期的でした。従来の取引所が依拠していたオーダーブック方式ではなく、流動性プールとアルゴリズムを用いてトークン交換を可能にすることで、誰でも仲介者なしに取引を行える環境を実現しました。

Uniswapが登場する以前、暗号資産の取引は主に中央集権型取引所(CEX)で行われていました。しかし、CEXにはカストディリスク(取引所が顧客の資産を管理するリスク)、セキュリティ脆弱性、運営者の意向による検閲、取引の透明性の欠如、そして高額な仲介手数料といった、多くの課題が存在していました。Uniswapは、これらの問題を解決するべく、トラストレス(信頼不要)かつパーミッションレス(許可不要)な取引基盤を提供したのです。

その進化の道のりも目覚ましく、最初のバージョン(V1)から始まり、流動性提供の効率性を高めたV2、価格レンジを指定して流動性を提供できる集中流動性を導入したV3、そしてモジュール性を大幅に向上させ、開発者がUniswap上で多様な金融アプリケーションを構築可能にする「Hooks」という機能を備えたV4へと、Uniswapは常にDeFiの最前線を走り続けています。

もはやUniswapは単なるDEXではなく、コンポーザブル(組み合わせ可能)な金融イノベーションを実現するための、DeFiエコシステムにおける基盤インフラへと進化を遂げているのです。

なぜTanéがUniswapに投資したのか

私たちのUniswapへの投資は、「Cryptoが伸びる時に、どこがその価値を獲得していくのか?」という基本的な問いに基づくものです。下記の重要な理由と、長期的な視点に基づいた深い確信があります。

1. DeFiエコシステムの根幹をなす「コア・プリミティブ」としてのUniswap

Uniswapは、DeFiエコシステムにとって不可欠な「コア・プリミティブ(基礎的構成要素)」であると私たちは考えています。

これは、インターネットの勃興期におけるサーバー、ドメイン名、あるいはSSLのようなセキュリティプロトコルが果たした役割になぞらえることができます。これらの基盤技術なくして、今日のインターネットの繁栄はあり得ませんでした。

同様に、Uniswapが提供するスワップ(交換)や流動性供給といった機能は、DeFiアプリケーションを構築し、運用する上で欠かせない要素となっています。

暗号資産の普及が今後さらに進展するにつれて、これらの基礎的な金融サービスの需要は持続的かつ指数関数的に成長していくと予想されます。この成長の波に乗る上で、Uniswapは極めて戦略的な価値を持つと評価しています。

ベンチャーキャピタル/スタートアップの世界では、市場の勝者が市場全体の利益の大半を獲得するという「べき乗則」が強く働きます。特にプラットフォーム型のビジネスや、ネットワーク効果が期待できる領域ではこの傾向が顕著です。

Uniswapは、DeFiにおける取引と流動性の中心地としての地位を確立しつつあり、このべき乗則の恩恵を最も受けるプロトコルの一つとなる可能性を秘めていると考えます。

2. UNIトークンの過小評価と将来的な価値向上の可能性

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出典:CoinMarketCap

UNIトークンは複数の理由でその価値を過小評価されています。過小評価されていた要因が解消されようとしているのが「今」だと考えています。

規制プレッシャーの解消

バイデン政権下では、UniswapはSECから訴追を受けていました。米国の金融機関ではDeFiへの対応も厳しく、これらの規制プレッシャーによる懸念がUNIトークンに重くのしかかっていました。

しかし、トランプ政権発足により規制が明確化される可能性が高まり、この懸念が払拭されることで、投資家の買いが入ることが期待されています。

収益の反映

Uniswap累計取引高

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現在、UNIトークンは主にUniswapプロトコルのガバナンス(運営方針の決定)への参加権として機能しています。しかし、Uniswapがこれまでに創出してきた莫大な取引高(累計2.7兆ドル超)やプロトコル手数料(累計45億ドル超)といった経済的価値が、UNIトークン価格に十分に反映されているとは言えません。

Uniswap累計フィー

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出典:DefiLama

私たちは、トランプ政権で暗号資産に関する規制が明確化される可能性が高まり - 特に証券認定の要件の明確化 - プロトコル手数料の一部をUNIトークンホルダーに還元する、いわゆる「フィー・スイッチ」が実現する可能性が高いと見ています。

これが実現すれば、UNIトークンはプロトコルの成長から直接的な経済的恩恵を受けることになり、その本源的価値は大きく向上すると期待されます。

Unichainの可能性

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EthereumのL2として、ローンチしたUnichain。大規模なトランザクションを抱えるDeFiの覇者としては、そのオーダーフローをエコシステムに取り込むために独自チェーンを持つ動きは当然の打ち手と言えるでしょう。

私たちは、Unichainが下記の2つの点でUniのトークン価値向上に寄与すると考えています。

UNIトークンの利回り:Unichain Validator Network(UVN)が始まることにより、ステーキングに対する対価を出せるようになります。証券認定の議論から敬遠されていたフィースイッチとは別の形にはなりますが、UNIトークンの価値をサポートすることになるでしょう。

DeFiプラットフォームを超えたポテンシャル:DeFi特化のL2と見られがちですが、Flashbots, Optimismと組んで作った高速チェーン、インターオペラビリティは汎用チェーンとしてもL2で大きな存在感を発揮できるポテンシャルがあります。

これらの点から、Uniswapが持つ潜在的な価値と、将来のDeFi市場の成長を考慮すれば、現在のUNIトークンの市場価格は、その長期的なポテンシャルを大きく下回っている可能性があると私たちは判断しています。

3. 単なるDEXを超えて:DeFiの必須インフラとしてのUniswapの進化

Uniswapの進化は留まるところを知りません。特に、V4で導入が予定されている「Hooks」という機能は、Uniswapのプラットフォームとしての能力を飛躍的に高めるものです。Hooksにより、開発者はUniswapのコアロジックに独自のカスタム機能を「フック」させることが可能になり、流動性プールの挙動を細かく制御したり、新たな金融商品を組成したりと、極めて柔軟かつ高度なアプリケーションを構築できるようになります。

これにより、Uniswapは単なるトークン交換の場を超え、DeFiにおけるイノベーションを加速させるための、より広範な金融インフラとしての役割を担うことになるでしょう。オーダーブック型DEX、レンディングプロトコル、デリバティブプラットフォームなど、様々な金融サービスがUniswapを基盤として構築される未来も想像に難くありません。

エコシステムが拡大し、より多くの開発者やユーザーがUniswap上で活動するようになればなるほど、ネットワーク効果が働き、Uniswapの価値は指数関数的に増大していくと期待されます。

今後の展望

私たちは、Uniswapへの投資を通じて、リターンを追求するだけでなく、DeFiという新しい金融システムの長期的な発展に貢献したいと考えています。

市場の成熟と規制の進化がもたらす追い風

Cryptoが成長し、各国で規制環境の整備が進むにつれて、DeFiプロトコルの信頼性と社会的な受容性は着実に向上していくでしょう。特に、透明性が高く、スマートコントラクトによって自律的に運用されるUniswapのようなプロトコルは、機関投資家を含むより広範な市場参加者にとって魅力的な選択肢となります。今後、機関投資家のDeFi市場への本格的な参入が拡大する中で、Uniswapのような実績あるプロトコルへの資金流入は加速すると予想しています。

Unichainとエコシステムのさらなる拡張

Uniswapは、Ethereumのレイヤー2スケーリングソリューションとして「Unichain」という独自のブロックチェーンを発表し、先日Mainnetをローンチしました。

Unichainのコンセプトが実現できれば、Uniswap上での取引はより高速かつ低コストになり、ユーザー体験は飛躍的に向上するでしょう。スケーラビリティの問題が解決されれば、マイクロペイメントや高頻度取引といった、これまでEthereum上では難しかったユースケースもUniswap上で実現可能になり、エコシステムはさらに拡大していくと考えられます。

Unichainの実現は、UNIトークンのユーティリティ(実用性)を高め、その価値を押し上げる重要な要因となり得ます。

ガバナンス参加から得た揺るぎない確信

私たちは、単にUNIトークンを保有するだけでなく、Uniswapのガバナンスにも積極的に参加しています。例えば、プロトコル手数料の分配メカニズム(フィー・スイッチ)に関する議論や、Uniswap V4の開発ロードマップ、助成金プログラムの運用方針など、プロトコルの将来を左右する重要な意思決定プロセスを注視し、コミュニティの一員として貢献しています。

これらのガバナンス活動を通じて、私たちはUniswapの成熟したガバナンス、そしてコミュニティの熱意を肌で感じてきました。オープンで透明性の高い議論、建設的なフィードバック、そしてプロトコルをより良くしようとする参加者の真摯な姿勢は、Uniswapが今後も持続的に成長し、困難を乗り越えていけると確信させるに十分なものでした。

分散型ガバナンスが効果的に機能している実例として、Uniswapは特筆すべき存在です。

長期的な視点:「べき乗則」と非連続的な成長への期待

DeFi市場はまだ黎明期にあり、その成長ポテンシャルは計り知れません。中央集権型の金融システムが抱える非効率性や不透明性を克服し、よりオープンで公正な金融サービスを世界中の人々に提供するというDeFiのビジョンは、非常に強力なものです。

Uniswapは、そのビジョンの実現において中心的な役割を果たすプロトコルであり、その過程で莫大な価値を創造していくでしょう。私たちは、短期的な市場のノイズに惑わされることなく、Uniswapが持つ破壊的イノベーションの力と、その長期的な成長ポテンシャルに賭けていきたいと考えています。

共に築く、分散型金融の未来

私たちTanéにとって、Uniswapへの投資は、分散型金融という、よりオープンで、透明性が高く、誰もがアクセス可能な新しい金融システムの構築に貢献するという、私たちの信念に基づいたコミットメントです。

Uniswapは、その卓越した技術力と活発なコミュニティによって、DeFiの未来を切り拓く上で最も重要なプロトコルの一つであると確信しています。私たちは、UNIトークンホルダーとして、そしてガバナンス参加者として、Uniswapの持続的な成長と発展を積極的に支援し、共に未来の金融システムの礎を築いていくことを楽しみにしています。

本記事が、私たちのUniswapに対するコンビクションと、DeFiの可能性について、皆様にご理解いただく一助となれば幸いです。

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免責事項:この投稿は一般的な情報提供のみを目的としています。また、投資判断の是非を評価するために利用されるべきものではありません。また、会計、法律、税務に関するアドバイスや投資推奨に依拠すべきものではありません。本投稿は執筆者の現在の意見を反映したものであり、Tanéまたはその関連会社を代表して作成されたものではなく、必ずしもTané、その関連会社、またはTanéに関連する個人の意見を反映するものではありません。ここに反映された意見は、更新されることなく変更されることがあります。