3月末に都内で開催されたTané Summit #0は、ブロックチェーンの最前線で活躍するビルダー、リサーチャーたちを中心に50名近くが一堂に会し、各領域の最先端のトピックや課題について議論を交わしました。イベントの概要と振り返りをご紹介いたします。
イベント概要
3月31日、WeWork渋谷スクランブルスクエアにて開催いたしました。
Cryptoの起業家、ビルダー、リサーチャー、企業が集まり、ネットワーキングに終始するのではなく、お互いの専門性を持ち寄り真剣に議論し、学び合い、新たなインサイトを生み出すことを目的として行われました。
登壇者、並びにアジェンダ一覧
- Opening | 六人部生馬(Tané)
- モジュラー・ブロックチェーンとData Availabilityレイヤー | 木村優(UnUniFi)
- Avalancheの近況 | 平田路依(Ava Labs)
- MEVの最新状況 | Vita(Titania Research)(資料)
- Data Availability Samplingを理解する | Lin Oshitani(Nethermind) (資料)
- Lessez-faireの向かう先(マーケットマイクロストラクチャーの基礎、DEXに潜む課題) | 0xAlphaist(Titania Research)
- FarcasterとFrames | zak3939(Phi)
- Baseエコシステムでの挑戦とWeb3Social周辺のトレンド | passion, 0xshanks, 0xTouYan (trivia.tech, DeNA)
- Onigiri Chain | 酒井 勇也(SARAH)
- Closing | 大石 剛司(Tané)
総括
今回のイベントはData Availability、MEV、 流動性の断片化、ミームコインなどのよりWeb3に特化したコミュニティで課題とされているテーマだけでなく、既存の巨大なIPをブロックチェーン上に載せる上での課題や、飲食業界でのNFTの利活用など、Web3の外に向けた取り組みも含めた、広範なテーマを取り扱いました。
当日の内容をご紹介すると、NethermindのOshitaniさんにはData Availabilityのスケーリングについての重要な要素であるData Availability Samplingについてご紹介いただきました。Data Availability Sampingにおいては、CDのデータ保存や復元に関わる技術と同様の技術を用いることで、実際に保存が必要なデータ量を削減し、効率化しながらも安全性を損なわないようになっています。また、ここの設計によりEthereumとCelestiaで、Data Availability Layerとしての分散性や安全性などが大きく変わるなどのお話もしていただきました。
また、DeNAのtrivia.techチームと弊社六人部の対談セッションでは、大企業の中のプロジェクトとしてスピード感を維持するために意識されていることや、ミームコインの勃興に見られるユーザーの心理変化やゲーム開発のパラダイムシフトとしてリテンション率を気にするべきではないかもしれない、などといった考えもご共有いただきました。
これ以外のセッションもいずれも非常にレベルの高いプレゼンテーションばかりでした。さらに、参加者も実際にWeb3に取り組んでいる方々を中心として、イベント終盤での懇親会でも引き続き濃密な議論が行われました。
業界最先端知識に留まらず、実際に取り組むことで見えてくる気づきや学びの共有も多く行われ、そのテーマについて知ること以上に、いちプレイヤーとしてそれを踏まえてどういう取り組みができるかといった部分においても示唆の多いイベントとなりました。
ご登壇、ご参加いただいた皆様に多大なる感謝を申し上げると同時に、今後とも国内においてはこのような活動を継続し、ビルダーやリサーチャーをはじめとする皆様にとって最先端の議論にアクセスできる重要な場を提供していく所存です。
終わりに
Tanéでは、今後ともファンドとしての活動やネットワーク運営(ノードオペレーター、DAOガバナンス)の側面から、分散性の向上の実現に貢献していきます。
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